阪大文学部国語(現代文)の対策について 【後編】

左手に開かれた状態の本、その上に眼鏡と鍵が載せられている。右手には布の上に置かれたコーヒーカップが写っている。 大学受験

 前回は阪大文学部国語の概要、そして評論パートの対策について述べました。この記事は前編に述べたことを前提として書かれていることがいくつかありますから、まだ前編をご覧になっていない方は先にそちらを読んでみてください。

 後編では有数の難しさを誇る小説パートの対策について、そして過去問(←重要‼)の取り扱いについて考えてみようと思います。

小説の対策について

  阪大文学部の小説パートは本当に対策しづらいです。前編の冒頭でも書いたように毎年300人しか受けない試験ゆえ研究があまりされておらず、もちろんそれに特化した参考書も存在しません。(そもそも小説の記述問題を出題する大学自体が少ない)正解の勉強法は自分でもよくわからないのですが、選択肢が無いと対策ができないため、考えうる対策をいくつか挙げてみたいと思います。

 まず、参考書については前編でも紹介した『新版 現代文 読解の基礎講義』(中野芳樹著)が良いでしょう。というのは例題として2020年度の実際の小説問題の詳細な解説が掲載されています。サンプルが1個なのは物足りないと思うかもしれませんが、これ以外に実際の阪大の問題を掲載している参考書は無いのではないかと思います。(あったら申し訳ないです)ただ、評論編と同じく読解作業や答案作成の独自の方法論が掲載されているので、共通テストや2020年度の過去問の解説を参考にして定着させ、後は青本などで演習を繰り返しましょう。

 毎年定番の表現説明の問題ですが、

  • 表現技法の名前を覚える (←知識‼)
  • 表現技法の効果を覚える (←知識‼)
  • 該当する表現が指し示す対象(心情)、その効果を本文の内容に敷衍させた形で説明する

という風に練習していけば大丈夫でしょう。知識の蓄積には上の参考書とか共通テスト・センター試験の表現説明の問題が役に立つと思います。この問題、初見はかなり難しく見えるのですが何年分か過去問をやればだいたい同じフォーマットで解答が作られているのが分かってきます。(「…」という[表現技法]によって<心情など> をあらわしており、これは{表現技法の効果}という効果がある。)

 過去問演習についての章でも詳しく述べますが、小説問題の演習には青本(駿台文庫)が有効でしょう。(過去問をするに如かず‼)一番再現性が高いというか、受験生により沿った解答が書かれていると思います。(それでも「どうやって思いつくねん…」みたいな解答はありますが…)

 あと1点、対策といってよいのか分かりませんが、小説を普段から読んで慣れておくというのも大切だと思います。もちろん、自分は地理や美術にしか興味がないとか勉強に切羽詰まってそれどころでないという人もいるでしょうから無理して読む必要はないでしょう。ただ、普段からそういう習慣があれば試験勉強も幾分かは楽になるかもしれません。(実際、二次試験本番国語直前の休憩時間にも小説を読んでいる人がいましたw)

 共通テストでも小説問題は出題されますが、フィーリングで選択肢を選びんで十分に点数がとれてしまうという人は多いと思います。ですがそれだと記述問題でなかなか評価が来ないということになりかねません。登場人物のプロフィール情報に加え、時系列に沿った状況と心情の契機→心情を整理して要素を欠かすことなく丁寧に答案の中に盛り込むことを意識しましょう。答案を作る際には本文の表現に限界まで寄り添って、自分で推測する部分を最小限に留めるというのが一番安全で、一定の評価がもらえる態度だと思います。正直、大学側の採点がどのようなものなのか、模試のような採点基準がそもそもあるのかないのかよく分かりませんが上記の参考書や過去問集ある再現性の高い答案が書けていれば高い評価はもらえるだろうと思います。(試験は他の受験生との相対評価であることを忘れずに‼)

過去問の取り組み方

 何度も強調している通り、やはり一番大事なのは過去問です。なぜなら実際の時間配分を体感して感覚を身に着けるのは過去問によってでしかできないからです。その制限の中で、どうすればより評価の高い答案を作ることができるのかを考えていくことになります。筆者は過去問に取り組み始めたのが共通テスト明け(1月の後半から)でしたが、この記事の読者の方はもっと早い段階から始めることをお勧めします。

 過去問演習に使う教材ですが、大学発表の解答解説、予備校各社の解答解説をできる限りかき集めてそれぞれを自分の解答と比較検討しながら進めていくのが良いと思います。まず大学発表の解答についてですが、大阪大学は文学部のみ国語の模範解答を(なぜか)公表しています。3年分しかサイト上に無いので、もし高校1年生で文学部を志望している人がいたとしたら今のうちから保存しておきましょう。自分の解答が大学公表の解答と全然違うからといって落ち込んではいけません。多様な解答例があることを知るためにもやはり他の予備校の解答とも比較すべきでしょう。予備校各社の解答解説を収集するのはそのためです。次に予備校各社の解答の集め方ですが、考えられるのは学校や塾の進路資料室を漁るか、先生に頼んで探してもらうという方法でしょうか。それができない人はnoteの国語王(https://note.com/pinkmoon721)さんの記事が参考になります。沖縄の学習塾の講師の方でしょうか?ご本人の解答例に加え、駿台、河合、代ゼミといった予備校各社の答案も掲載されています。阪大文学部についてかなり多くの年度の解説記事があり、実際自分も参照していました。

 過去問集としてポピュラーなのは赤本でしょう。『阪大の国語15カ年』というのがあり比較的入手しやすいと思います。しかし、赤本の解説は淡白で解答例も信用できない部分があったりします。ですので筆者がお勧めするのは駿台文庫から出版されている青本です。前にも書いた通り受験生ができるだけ再現しやすい答案が提示されており、読解作業・制作過程がすべて明らかにされています。東大京大は「入試詳解シリーズ」といって科目別の25カ年過去問集が出版されているのですが、残念ながら阪大はありません。(ですので過去3カ年を遡って漁るしかありません…)自分は駿台の教務の方に頼んで古い青本をかき集めてもらっていました。駿台に通っている方はそうするのが良いかもしれません。あるいはフリマで買う、といったところでしょうか。

 まとめると、志望が固まったら早い段階から予備校各社の解答例をかき集めて過去問に取り組むということが重要です。青本を中心に答案作成の方法を確認し、その他赤本や河合塾などの解答例も読んで参考にするといった感じで進めていくのをお勧めします。もしも、過去問を15年くらい全部解き終わった、ということであれば駿台の『実戦模試演習 大阪大学への国語』がよいのではないでしょうか。基本的に青本と同じ講師が解答を書いていますし答案作りの方針も一貫しているため過去問の延長線上で演習が可能です。

おわりに

 いかがでしたでしょうか。少しでも受験生を含めた読者の方に役立つ情報が提供できたら嬉しく思います。ここまで現代文の対策方法について述べてきましたが、試験は総合点、相対評価で判断されるということを忘れないでください。少々国語で失敗したとしても他の科目で十分挽回することができます。よって形式が安定している英語などに十分に勉強時間を割くというのも良い方針です。そういう人も、ぜひこの記事で挙げた選択肢を参考に必要最低限の国語の対策をしてみてください。検討を祈ります。

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