書店では自己啓発書にカテゴライズされていたが、いわゆる人生哲学や精神論を語る他の本よりも定量的、実践的な成分の割合が大きいように思う。しばらくの間こういった本は読んでなかったけれども、参考になる点が多い本だった。
芸術家の生活というと金に興味がなかったり不摂生なイメージがあるが、成功した芸術家たちの中には自分たちで会社を作ってお金の流れを管理したり、本業(と思われていること)とは別に収入源を確保したうえで活動していた人が多い。そういった「事務」的な基礎の上で初めて革新的な仕事が可能になる。
自分が「やりたいこと」の前にまず土台として自分の生活というものがある。それに対して漠然とした不安をもつことは、脳のメモリーを知らず知らずのうちに圧迫してしまい、クリエイティブな発想を抑圧してしまうのだろう。ビジュアル化すること、定量化することによって頭の中で新しい仕事の発想が占めるべき空間と日常的な雑務があるべき空間を峻別することができるのだと思う。
クリエイティブなことで上手くいくためにはただ何もない白紙のキャンパスを前にして無秩序に作業に取り掛かるのではなく、そこに補助線を引いてアイデアを流し込むことが重要である。それはルーティンワークの決定や経済観念を身に着けることによって可能にすることができる。


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