ラッセルのパラドックスでは、まず「自分自身を要素に含まない集合の集合」を考える。これが、自分自身を要素として含むかどうかが問題となっている。答えは含む・含まないの2択であるので、2通りに場合分けしてみよう。
1.自分自身を要素として含む場合、
「自分自身を要素に含まない集合の集合」は、自分自身の要素となる。しかし、この場合「自分自身を要素として含む集合」が「自分自身を要素に含まない集合の集合」の要素として含まれることになる。つまり、集合の定義に違反する要素が集合に含まれていることになる。
2.自分自身を要素として含まない場合、
「自分自身を要素に含まない集合の集合」は「自分自身を要素に含まない集合」のうちの一つであり、「自分自身を要素に含まない集合の集合」の要素にならなければならない。しかし、ここでは含まれないものとして場合分けしているため、「自分自身を要素に含まない集合の集合」は自分自身を要素として含み、かつ含まない、ということになり、矛盾が起こる。
いずれの場合も変なことが起こる。
ところで、上の説明は集合におけるパラドックスである。
ラッセルのパラドックスは様々な具体例を用いて説明されるが、その中には命題関数=述語づけのパラドックスと類比されているものが多い。
その理由として、集合と命題関数は本質的に同等と見なされることに注意しよう。すなわち、命題関数に代入して真となるものの全体が、集合なのである。
集合の表記の方法は2通りある。要素を列挙していくものは外延的表記、命題関数を用いて表すのは内包的表記と呼ばれる。
参照:
野矢茂樹. (1994). 『論理学』, 東京大学出版会, pp.127-135.

コメント